【高配当】JEPQとJEPIの違いについて考える

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JPMorgan Equity Premium Income ETF(JEPI)とJPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF(JEPQ)は、どちらもJ.P. Morganが運用するカバード・コール戦略を採用した高配当ETFで、毎月分配金を支払いますが、ベンチマーク指数や投資対象、ポートフォリオ構成、リスク・リターン特性に明確な違いがあります。日本居住者を想定し、株価推移、分配金、利回り、リスク、コスト、税務、為替影響などを含めて、両者の違いを詳しく解説します。また、SPYDや東証版QYLDとの関連性も踏まえ、投資判断の参考情報を提供します。

1. 基本概要と戦略の違い

JEPI(JPMorgan Equity Premium Income ETF)

  • ベンチマーク:S&P 500指数
  • 運用開始:2020年5月20日
  • 戦略
    • S&P 500の大型株・中型株から、低ボラティリティで高品質な銘柄をデータサイエンスに基づく独自の選定プロセスで選択
    • カバード・コール戦略:S&P 500指数に対するアウト・オブ・ザ・マニー(OTM)のコールオプションをエクイティ・リンクド・ノート(ELN)経由で売却し、プレミアム収入を生成
    • 低ボラティリティ銘柄重視で、安定性と防御性を追求
  • 目的:S&P 500の大部分のリターンを確保しつつ、ボラティリティを抑え、月次分配金を提供

JEPQ(JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF)

  • ベンチマーク:Nasdaq-100指数
  • 運用開始:2022年5月3日
  • 戦略
    • Nasdaq-100の大型株(主にテクノロジー・成長株)を中心に、データサイエンスで選定
    • カバード・コール戦略:Nasdaq-100指数に対するOTMコールオプションをELN経由で売却
    • テクノロジー・成長株へのエクスポージャーを重視し、高いプレミアム収入を追求
  • 目的:Nasdaq-100のリターンと成長性を活用し、高い分配金と一定の資本増価を目指す

主な違い

  • JEPIはS&P 500(500銘柄、幅広いセクター)に基づき、分散性が高い
  • JEPQはNasdaq-100(100銘柄、テクノロジー・通信セクター中心)に基づき、集中度が高い
  • 両者ともカバード・コール戦略を採用し、ELNを使用するが、JEPQはNasdaq-100の高いボラティリティによりプレミアム収入が大きい

2. 株価推移

JEPI

  • 最新株価(2025年6月時点):約55.50 USD(具体的な日付データなし、参考値)
  • 52週範囲:50.00~58.00 USD(推定)
  • 過去のパフォーマンス
    • 過去1年リターン:7.77%(配当込み、2024年6月~2025年6月)
    • 開始来(2020年5月~2025年):年平均10.9%(S&P 500の12.3%に比べ1.3%低い)
    • 2022年ベアマーケットで-3.54%の下落(S&P 500の-13%より防御的)
  • 特徴
    • 低ボラティリティ銘柄中心で、市場下落時に下落幅が小さい(最大ドローダウン-13.71%)
    • 強気相場ではS&P 500(SPY)に比べリターンが劣後(2024年で約14%遅れ)

JEPQ

  • 最新株価(2025年6月時点):約54.00 USD(参考値)
  • 52週範囲:45.00~56.00 USD(推定)
  • 過去のパフォーマンス
    • 過去1年リターン:9.54%(配当込み、2024年6月~2025年6月)
    • 開始来(2022年5月~2025年):年平均6.1%(Nasdaq-100の7.6%に比べ1.5%低い)
    • 2022年下落時:-20.07%(Nasdaq-100の-19.2%とほぼ同等)
  • 特徴
    • テクノロジーセクター依存で、強気相場(例:2023年AIブーム)ではJEPIをアウトパフォーム(YTD 7.10% vs JEPI 4.05%)
    • 弱気相場では下落幅が大きく、防御性が低い

違い

  • JEPIは低ボラティリティで防御的(2022年下落幅:JEPI -7.5% vs SPY -13%)
  • JEPQはNasdaq-100の高いボラティリティにより、強気相場で高いリターン、弱気相場で大きい下落(2022年:JEPQ -15% vs QQQ -15%)
  • 日本居住者にとって、JEPQは円高リスクがJEPIと同等(USD建て)

3. 分配金と利回り

JEPI

  • 最新分配金(2025年6月時点):約0.36 USD/株(月次、変動あり)
  • 12ヶ月分配金利回り:8.29%(30日SEC利回り:8.48%)
  • 特徴
    • S&P 500の配当+オプション・プレミアムで安定した月次分配
    • 分配金は市場ボラティリティや選定銘柄の配当に依存(歴史平均比17%低い)
  • :100,000 JPY投資(1 USD=150 JPY、約666.67 USD)で年約5,526 JPY(税引前)

JEPQ

  • 最新分配金(2025年6月時点):約0.51 USD/株(月次、変動あり)
  • 12ヶ月分配金利回り:11.28%(30日SEC利回り:10.75%)
  • 特徴
    • Nasdaq-100の高いボラティリティにより、オプション・プレミアムが大きく、高利回り(歴史平均比9%高い)
    • テクノロジー株の配当は低いが、プレミアム収入で補完
  • :100,000 JPY投資で年約7,520 JPY(税引前)

違い

  • JEPQの利回り(11.28%)はJEPI(8.29%)より高め
  • JEPQはボラティリティ依存度が高く、市場変動で分配金が大きく変動する可能性
  • 日本のX投稿でもJEPQの高利回り(11.3%)が注目されているが、変動リスクも指摘

4. ポートフォリオ構成と分散性

JEPI

  • 持株数:約174銘柄
  • セクター:金融(15%)、ヘルスケア(12%)、産業(12%)、テクノロジー(10%)など、S&P 500の幅広いセクターに分散
  • トップ10持株:全体の16%(例:Microsoft、Amazon、各2%未満)
  • 特徴
    • 低ボラティリティ銘柄を選定し、セクター分散でリスク低減
    • 例:2022年テクノロジー株下落時、JEPIは下落幅を抑制

JEPQ

  • 持株数:約168銘柄
  • セクター:情報技術(41.4%)、通信サービス(15%)、Magnificent 7(Apple、Microsoft、NVIDIAなど)がトップ9に集中
  • トップ10持株:全体の43%(高い集中度)
  • 特徴
    • テクノロジー・成長株中心で、Nasdaq-100(例:QQQ)に近い構成
    • 2023年AIブームでJEPQはJEPIをアウトパフォーム

違い

  • JEPI:セクター分散が高く、保守的(金融・ヘルスケアなど安定セクター多め)
  • JEPQ:テクノロジー集中(41.4%)、Magnificent 7依存でリスク高い
  • JEPQはNasdaq-100の成長性に賭けるが、規制や金利上昇で下落リスク増(例:貿易戦争やテック規制)

5. リスクとボラティリティ

JEPI

  • ボラティリティ:1ヶ月ローリングで2.00%(低め)
  • 最大ドローダウン:-13.71%(開始来)
  • シャープレシオ:0.56(リスク調整後リターン安定)
  • 特徴
    • 低ボラティリティ銘柄とカバード・コールで下落リスク軽減
    • 2022年ベアマーケットでSPY(-13%)に対し-7.5%と防御的

JEPQ

  • ボラティリティ:1ヶ月ローリングで2.51%(JEPIより高め)
  • 最大ドローダウン:-20.07%(開始来、Nasdaq-100並み)
  • シャープレシオ:0.46(JEPIより低い)
  • 特徴
    • テクノロジー集中で市場変動に敏感(2022年下落-15% vs QQQ -15%)
    • 強気相場では高いリターン、弱気相場では下落幅大きい
  • JEPQ vs JEPIの相関:0.83(高い相関、市場環境で類似の動き)

違い

  • JEPI:保守的、防御的、低ボラティリティ(退職者向け)
  • JEPQ:成長志向、高ボラティリティ(若い投資家向け)

6. コスト

  • 経費率:両者とも0.35%(アクティブ運用ETFとしては低め)
  • 取引コスト
    • JEPI:メジアンスプレッド2.00%(J.P. Morgan公開)
    • JEPQ:スプレッド非公開だが、Nasdaq-100の流動性で類似
  • 日本居住者の考慮点
    • 東証版QYLD(0.75%)やSPYD(0.07%)と比べ、JEPI/JEPQの0.35%は中間
    • 米国株取引手数料(例:SBI証券0.495%)や為替手数料(25銭/USD)が追加

違い:コストはほぼ同等だが、JEPIの高い流動性(AUM:39.1億 USD vs JEPQ:24.5億 USD)が取引の安定性でわずかに優位


7. 税務(日本居住者向け)

  • JEPI/JEPQ共通
    • 分配金:米国源泉税10%+国内源泉税20.315%、二重課税調整で実効税率約20%
    • ELNのプレミアム収入は利息所得扱いで税務が複雑(確定申告推奨)
    • 売却益:譲渡益課税20.315%
  • 違い
    • JEPQ:高利回り(11.28%)で税負担がJEPI(8.29%)より大きい
    • 例:100,000 JPY投資でJEPQは年11,280 JPY、JEPIは8,290 JPYの分配金(税引前)

東証版QYLDとの比較

  • 東証版QYLD:円建てで税務処理がシンプル(外国税10%控除後、国内源泉税20.315%)
  • JEPI/JEPQ:USD建てで確定申告の手間増

8. 為替リスク(日本居住者向け)

  • JEPI/JEPQ
    • USD建てで円高リスク(例:1 USD=150 JPY→101 JPYで32.7%目減り)
    • 取引時間(22:30~翌5:00 JST)が不便
  • 東証版QYLD
    • 円建てで為替手数料不要、東証取引(9:00~15:00 JST)
    • ただし、原資産(米国QYLD)のUSD価値に円高影響
  • 違い:JEPI/JEPQは直接USD建て、東証版QYLDは円建てで管理が簡単

9. SPYD、東証版QYLDとの比較

SPYD

  • 戦略:S&P 500高配当上位80銘柄に等加重投資、カバード・コールなし
  • 利回り:4.56%(四半期分配)
  • リターン:過去5年で9%(株価4.4%+配当)
  • リスク:金融・不動産依存、金利感応度高い
  • 違い:JEPI/JEPQはカバード・コールで高利回り(8.29~11.28%)、SPYDは純粋な配当株投資で成長性やや高い

東証版QYLD

  • 戦略:Nasdaq-100のカバード・コール、円建て
  • 利回り:11.2%(毎月分配)
  • リターン:過去5年で19.3%(為替影響込み)
  • リスク:株価上昇制限、為替リスク
  • 違い:JEPQと類似(Nasdaq-100、カバード・コール)が、円建てで利便性高い。JEPIはS&P 500で分散性優位

10. 投資家のタイプ別推奨

JEPIが適する投資家

  • 保守的・退職者:低ボラティリティ、分散性、安定分配(8.29%)を重視
  • 弱気相場志向:防御性が高く、2022年でSPYより下落幅小さい
  • :安定収入で生活費を補いたい退職者

JEPQが適する投資家

  • 成長志向・若い投資家:テクノロジー成長と高利回り(11.28%)を求める
  • 強気相場志向:AIブームなどNasdaq-100の上昇でアウトパフォーム
  • :分配金再投資で長期成長を目指す投資家

SPYDや東証版QYLDとの選択

  • SPYD:純粋な高配当株投資、成長性と配当のバランスを求める場合
  • 東証版QYLD:JEPQと類似だが、円建てで取引・税務が簡単、高分配金を重視

11. 結論

  • JEPI:S&P 500ベース、分散性高く、低ボラティリティ(2.00%)、利回り8.29%、防御的。退職者や安定収入重視の投資家向け
  • JEPQ:Nasdaq-100ベース、テクノロジー集中(41.4%)、高ボラティリティ(2.51%)、利回り11.28%、成長志向。強気相場や若い投資家向け
  • SPYDとの比較:JEPI/JEPQはカバード・コールで高利回り、SPYDは成長性やや高め
  • 東証版QYLDとの比較:JEPQと戦略類似だが、円建てで利便性高い
  • 日本居住者向け:為替リスク(円高でリターン減少)や税務(確定申告)を考慮。東証版QYLDは円建てで手間が少ない

12. データソースと注意

  • 情報は2025年6月27日時点のウェブ情報(etf.com、TheStreet、Seeking Alphaなど)、X投稿、前回答に基づく
  • 市場環境、為替(1 USD=150 JPY)、金利により変動。最新の目論見書(J.P. Morgan、Global X Japan)や証券会社(楽天証券、SBI証券)で確認
  • 投資判断はリスク許容度や税務を考慮し、ファイナンシャルアドバイザーに相談

13. 補足

  • シミュレーション:前回の悲観的シナリオ(SPYD、東証版QYLD、SPY)にJEPI/JEPQを追加したシミュレーションが必要なら、具体的な前提(例:投資額、為替シナリオ)を教えてください
  • 他のETF比較:VYM、SCHD、QYLDなどとの比較も可能
  • Xの声:JEPQの高利回り(11.3%)が人気だが、権利落ち後の株価下落リスクも指摘されている

ご質問があれば、具体的なシナリオや詳細分析をお伝えください!

免責事項: Grok は財務アドバイザーではありません。専門家にご相談ください。

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